マネーの虎【アンティーク着物】収録まとめ完全版！１４２０万円マネー成立もその後辞退！［宮崎次子］
目次
虎の前でプレゼンしマネー成立
いくらを希望しますか？
１４２０万円です
１４２０万円
はい
そのお金の使い道は？
アンティーク着物店の開業資金を欲しいと思っています。
アンティーク着物っていうお店ですよね？
はい
それは一体どういった内容の物なんでしょう？
簡単に言いますと
着物のリサイクルショップなんですけども、その中でも昭和初期とか大正ロマンと言われる頃のお着物ですね。
それと、新中古の着物って言って、結局一度も袖を通されてないまま、古着とかの流通に流れた物。
そういう２種類の着物を扱うショップをしたいなと思っています。
あのー、京都ですか？出身は。
はい
元々私が着物屋の染屋の娘でして、周りのお友達も皆さん染屋さんということもありますし、私個人では着付けの講師を取りまして、その後スタイリストさんのアシスタントをしたり。
資格も持たれてるんですね。
はい、持っています。
で、呉服店の一角でリサイクルショップを業務委託の形で任されて実際にやっています。
今までの呉服屋さんというのは
本当に入るのも怖いし、平げることも出来ない…
平げて触ったら、何かもういきなり「お買い上げですか？」みたいな「着せます」みたいな…
敷居が高いんですね。
はい。
敷居が高くて威圧感があるっていうのが、あまりにも呉服屋さんのイメージで、皆さん強くあられるみたいなので…
私自身の今のお店っていうのは、自由に平げてもらって、あと何枚でも試着してください。っていう風に全部フィッティングをしてあげます。
あのー、着物着るのって結構大変ですよね。
はい。
そういうブティック感覚でね、お客さんが着物を試着しますかね？
私がスタイリストさんのアシスタントをさせていただいたこともあって
別にちゃんと着付けなくても、鏡の中でお客さんが見はる所でちゃんと着姿になっていれば、お客さんは分かるので、それは５分以内に出来るんですね。
まあ確かに５分で着れると思えばね。
それは凄いと思うよね。
はい。
ですから着物のウンチクが分からない子でも、着たいだけ着せてあげたら
「どれが一番あなた好きか分かるでしょ」っていう売り方をしてますので、そうやって着せてあげると大概その女の子は顔が輝いていって
「これが良いです！」って言って結局一式買って行かれるんですね。
彼女は若い女性が気軽に入れる昭和初期や大正ロマンと言われるアンティーク着物のショップを開きたいという
どこでやろうとしてるの？京都？
はい。京都です
京都の第二の繁華街というと変なんですけど、今凄い若者とかが集まり始めてる道筋というか…
町名で言うと？
場所は三条通りなんですけども。
三条通り…
三条通りのアーケードの中にウチの店があるんですよ。中古屋さんが。
そうなんですか。
京都と言うと西陣じゃないですか。
今、破滅的状態ですよね。西陣の着物っていうのは。
はい。
じゃあ、その西陣の着物に目を向けないで
なぜアンティークの方に、それを商売になさろうとされてるんですか？
今、凄くリサイクルショップとしても伸びてるんですね。
呉服の二次流通って今言われてるんですけども。
今日お持ちした物がありまして。
ちょっとすみません、出させて頂きます。
着物っていうのは浴衣と違って、長襦袢（ながじゅばん）ってのが必要なんですね。
これがお襦袢の代わりにウチの店で置いてる市販されてる中の襟になる部分なんですね。
お着物でしたら、中が必要で上に着物を着るってのが通常なんですが…
これをすると、本当に襟が一度で汚れて、毎回着付け教室さんがちゃんと縫い変えなさいというのが通例なんですが、この半襦袢（はんじゅばん）ですと、洗濯ネットに入れてそのままお家で洗えるんですね。
そういう普通に洗える長襦袢ってのは他にもいっぱいあるんですけれど、これ自体は襟がファスナーになってまして、襟が自由に付け替えられるようになってるんです。
ですのでイチイチ、一回着る度に襟を全部外して縫い変えるだけで、もう着物なんて着たくも無いですし、もういいわってなるじゃないですか。
確かに。
私自身は、見える所は本物で、隠れてる所は手を抜きたいっていう発想で。
こういう風にこれだけ簡単に着れるということは、浴衣が今流行ってるので浴衣くらいだったら着れる女の子が多いんですね。
浴衣が着れればウチの着物は着れるんですね。
でも今の子ってのは、その辺のところは自分でアレンジしますよね？
それがね、針で縫わんとアカンとか。
それを買って来てとか。っていうことまでするかっていったら、よっぽどのマニアみたいな着物好きな人しかそんなことしないんですよ。
女性ですから大変ご無礼なんですけど、結婚されてればご主人は？
あの、結婚してませんし…
い、そういう予定も今のところありません。
あのー、実はね、中古屋さんやってるんですよ。
フランチャイズだとか直営店とか含めてね、まあ沖縄から北海道までね、およそ２００店舗くらいあるんです。
で、現実にもう、呉服もいっぱい売ってるわけ。
私は投資してもいいと思ってるの。
ただその方法論だけ。
そうですね…
すみません、あのー、宮崎さん。
僕の所の事業は全く関係なくて、あのー、インターネット…
携帯とか中のコンテンツを作ってる…
サーバー周りとか、全く関係ないんですけど。
着物、僕好きなんですよ。
３年されてますよね？
売上教えていただけますか？
えーと、１年目の数字がちょっとあれなんですが…
２年目が３千万で、今期３年目に入って５千万。
相当儲かってますね。
自分でどのくらい、その事業に投資しようと？
１００万集められればいいとこだなと。
１００万も集められないくらいかもしれないですね。
でも出す気はありますよね？自分の。
はい。もちろん。
ずーと聞いててね。
私も１０何年、中古屋さんをやってるんですよ。
もうピッタリ中古屋さんの考え方が合ってるわ。
仕事として、一緒に組めるんであれば、全額投資しますよ私。
僕も出します。
私っていう人間っていうのを
尊重して頂けるのかどうかっていうことっていうのが、私にとって一番大事なんですね。
何て言うか、投資して頂くことによって、共同経営にしますよとか、経営の方針自体をこうしてもらわなければ困りますっていう形で…
っていうのは私自身が望んでる形ではないんですね。
自分自身が色々決定できないリーダーではいたくないんですね。
結局こういうことだよね。
お金は出してくれても口は出すな。
あっ、はい。
そういうことです。
で、銀行金利以上のものは返してもいいよと。ルールがあったら。
はい。
口は出して欲しくない。
どうしてそこまでリーダーってものに拘るんですか？
実はその…、呉服店の親会社が今年の１月に倒産しまして。
呉服の売上は予算に対して、結構予算割れしてるんですね、ほとんど。
それに対してウチの売上ってのは、予算をかなり上回ってるので、売上を伸ばしても結局表の売上の補填にしかなってない。
その上、経費削減って言われたら、こんだけ頑張って働いてくれてるスタッフに私は何にも返せないし…
私共は中古屋やってるんだけど
別ブランドでね、Q’sコレクションってのをやってるんですよ。
アンティークだけやってるんです。着物だとか。
で、今現在でもそれが売場面積が、２０坪くらいあるんですよ。
私共も手つけてるわけですよ。
そのためには、もう最高のスタッフだと思ってるわけ。
これだけの金額だからね。
口を出さない人がおかしいんだから。そうでしょ？
もちろん、そりゃあそうなんですけども。
投資する以上は、私があなたがレストランやるのにね、投資して失敗したらそれでいいんです。
中古屋さんやるのに投資して失敗したら、私アホだって言われるね。
絶対に成功させなきゃダメなんですよ。
だからそのためには口出ししますよっていう。それだけ。
もう絶対失敗出来ないんですから。
これ私、真剣にビジネスとして捉えてますから。
あなたに投資じゃなくて自分に投資だと思ってますから。
小さくてもライバルですから。冗談抜きに。
だから一緒に伸びようと。
もうそりゃあ、津々浦々情報持ってますし。
物はいくらでも集まるし。
ひとつの店舗でね、１個買取しても２００種類集まって来るわけですからね。
そりゃもう、膨大な量が集まってきますわ。
その瞬間、女が微笑む
堀之内がこれほどまでに食いついた女がいただろうか
しかし、金を出したがるもう一人の虎、早原が堀之内に噛み付き続ける
そして、かつてない衝突が！
ここで、ちょっと一度整理をしたいのですが。
堀之内さんの中でのその条件がクリアできれば、全額１４２０万円投資して頂けるってことでしょうか？
はい
早原さんは？
はい。投資させて頂きます。
彼女の感覚、拘りをそのまま変に曲げたくないんですよね。
だから、僕もリスクを持ちますし、彼女もだから有り金を全部出すって言ってるわけですから。
やっぱり、あの…
もちろん、あなたがリーダーでやるんだよ。
リーダーでやるけども、あなたの考え方だけでやったって、何億・何十億というビジネスにはならんだろうなと。
私はね、その１年の売上が３千万・４千万の仕事をするために投資するんじゃないんです。
１千万の利益を持てるんか
２千万の利益を持ちたいんか
それ以上持ちたいんか。
社長はそれ以上持ちたいんですよ。ええ。
あなたは１千万でも好きなことができたら損はしない程度でみんなが幸せになれたらですよね。
利益っていっても重さが全然違うんですよね。
本当の商売人ってのは、口出すよってことは、徹底的に出されると思っておいた方がいいですよ。
はい。ですから
その範疇っていうのが、今私の中で読み切れないんですね。
絶対に成功させなきゃダメなんですよ。
私はもう、本当に真剣にビジネスとして考えてますから。
僕もビジネスとして考えてますけど。
両方取りたいってのはダメなんですか？
ただきっと、水と油だよ。
両方が混じり合って投資し合ってひとつになるってことはあり得ないよ。
うん。僕もそう思う。
もう、宮崎さんが選択してください。
それが一番いいと思います。
うん。それしかない。
それが一番いい。
非常に稀なケースですよね、これって。
現金１４２０万円を惜しみなく出すという堀之内
しかし、若き虎、早原は全く譲らない
どちらの札束を掴むのか！？
どちらの社長を？
えー、本当の最初の意志を貫きたいので
早原社長さんにお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
この時点で、投資の合計額が、あなたの希望額に達しましたので
マネー成立です。
おめでとうございます。
じゃあ、頑張ってください。
ありがとうございます。
凄い責任の重さを凄く感じますけれど、頂いたチャンスを絶対に無駄にはしたくないんで、結果を出して。
賽は投げられましたね。
本当にありがとうございました。
１４２０万円マネー成立からのその後
すみません。
本当にこの間から色々とお話して頂いて、私自身の思っている方向性っていうのと、やっぱり最初に出させて頂いた事業計画の方向性っていうのも、やっぱりズレを生じてきましたし…
あのー、宮崎さん。焦ってるでしょ。
物件見つけて早くしようと。
だからちょっと乱暴な事業計画書になってますよね。
で、書いた事とやろうとしてる事が実際違うじゃないですか。
あのー、本当にご迷惑をお掛けするなと思いまして。
辞めた方がいいというか、このまま続けるのは良くないなと思って、決断しました。
本当すみませんでした。
