No challenge No success

マネーの虎【おにぎり屋】収録まとめ完全版!860万円マネー成立![大橋さん]

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おにぎり屋
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堀之内川原高橋

 

マネーの虎番組開始後

初めてマネーを勝ち取った1人の女性志願者

諸問題が解決したので急遽そのすべてを放送

 

その女は、口元に笑みを掃きながら椅子に座った。

余裕のある表情…

だが、固く握りしめた指が、そしてわずかに強張る表情が、女の緊張を物語る。

札束がうずたかく積まれた机の後ろに居並ぶ虎たちは、現金に勝る威圧で女を眺め、この人間が果たして本当に投資に足る人物なのかどうかを見極め始めた…

 

 

いくらを希望しますか?

 
 

860万円です。

 
 

そのお金の使い道は?

 
 

無国籍ファストフードの店をしたいと思っています。

 

 

無国籍ファストフード…

この漠然とした言葉にイメージが浮かびにくかったのだろうか、虎たちの反応は鈍い。

女にとっては予期せぬ反応だったのか。

顔の強張りが強くなり、唇は固く噛みしめられた。

ピリピリと張り詰めた空気が漂う中、虎からの第一声があがった。

堀之内だった。

 

 

無国籍ファーストフードですか?

 

それは一体、どんなもんなんですか?

 

試作品を作って来たんですけれども…

 
おにぎり屋
 

それは何ですか?

 

ごはんですか?

 

おにぎりです。

 

 

女が取り出したのは、ラップに包まれたミートボール状の白米。

特徴らしい特徴も見られない小さなこのおにぎりが「無国籍ファストフード」の根幹を成す商品だというのか。

その形態からは、まだ事業の全体像は見えてこない。

堀之内は更に言葉を重ねる。

 

 

仕事はどうやって展開していくの?

 

ちょっと詳しく聞きたいですね。

 

車の移動販売になります。

 

車3台を使って、学生街や、オフィス街でも社食がないオフィス街に行きます。

店員を2人乗せて行き、1人はそこで販売、もう1人は電話を受けてオフィスへの配達をしてまいりたいと思っています。

 

売る時はそのように包んだ形にして売るんですか?

 
 

そうです。

 
 

はぁ…。

 

なんでそのようにするんですか?

 

これをこうやって開けてですね

 

スプーンで食べても良し、お箸で食べても良し、このまま握って食べても良しと。

ハンバーガーなんかでも、包みがありますよね?

そういった意味合いなんです。

まず手が汚れない。

それだけでなくソースをかけて食べたいって場合にはそのままかけて食べていただいてもよろしいですし、箸でもいいですし、とにかく食べる人が好きな形で食べてもらえるようにです。

 

その大きさは実際に売るサイズですか?

 
 

そうです。

 

白米は50グラムになっております。

 

いくら?ひとつ。

 
 

ひとつ130円~200円です。

 

 

堀之内からの言葉がやむ。

沈黙を破るように、女は身を乗り出し、畳み掛けるように言葉を繋ぎ、自らのプランの利便さを訴え続ける。

 

 

移動販売ということで

 

車の見積もりも立てていただいたんです。

キャブバンのつまり軽トラックですね。

それの3台分です。

その軽トラックの上にアルミ板を乗せまして…

 

3台も必要なの?

 
 

車がだめになっても

 

そこにまたアルミ板を乗せることができるんです!

車ひとつだと、車がダメになってしまったら、せっかくのアルミ板の改造までがダメになってしまうんですね。

そうするとその後が使えなくなってしまうんですよ。

だから…

おにぎり屋

 

 

車がダメになったら
商売自体がダメになるんじゃない?

 
 

それはありません!

 

どこにも負けませんから。

そういう自身はあります!

 

じゃあこれは
例えば運転資金まで含めた金額?

 
 

そうです。

 

 

自らの展望に絶対の自信を見せる女。

その剥き出しの野望は刺々しいまでの態度と強い口調となって虎たちに迫り続ける。

 

 

ご自身は今まで
何をしてらしたんですか?

 
 

お弁当の販売業をやっております。

 
 

おにぎりってね

 

握る手間がものすごくかかりますよね。

だから…

 

いえ!

 

握るのではなくてこのように包んで!

 

そう。

 

ところで、お米をそうやって包むまでの作業はどこでやってらっしゃるんですか?

車の中でやるんですか?

 

いえ!

 

作業場があります!

自分でも投資してます!

みなさんに全部が全部お願いしてるわけじゃないんですよ!

 

宣伝はどうやってやるんですか?

 
 

それは車3台走らせます。

 

都心15ヵ所をマーケティングしてまいりました。

それで例えば月曜日に三田、火曜日は新橋というように3台が3台とも違う場所に…

 

1台の車がね

 

それだけ広範囲の所に行って本当に宣伝効果出ると思いますか?

 

出ますね!

 

週1回しか来ない有難さというのはあるんです。

毎日来ても飽きるものは飽きるんです!

 

さっき

 

130~150円、200円と言われましたね。

味がいい悪いは別として…

その大きさが本当に200円で売れるものですか?

 

売れますね!

 
 

経験があるんですか?

 

私も食べ物屋やってますから、満腹感持つにはある程度量がいるんですよね。

質より量が…

 

この上に具がのりますよね。

 

ターゲットとしては女性、お子さんです。

特にOKさんを意識しております。

 

(* ̄- ̄)ふ~ん

 
 

いや

 

あなた基本的に飲食店がわかってない。

先程、子供と女性と言われたけど、あなたのお店の売上時間というのは12時~13時です。

子供はみんな15時半まで学校。

夕ご飯にそれ食べますか?

 

私がお昼ご飯を
食べようとしたら

 

それ5個はいりますね。

 

それはランチの場合で!

 
 

ちょっと聞いてくださいね

 

1000円かかるんですよ。

それにジュースを飲んで他に何か食べると。

果たして本当にそれがこの世の中で1000円の価値があるかってことなんですね。

 

あの…

 

僕1000円でもいいと思ってるんですけど…

付加価値を教えてほしいんです。

別に今金持ちになったからってわけじゃなくて…

安い商売したら大手に敵わないと思うんです。

それより付加価値…

味の話がさっきから全然説明がない。

 

この中に30種類の具を用意します。

 

で、自分の好きな物をトッピングしてもらうんです。

例えばチキンとチーズを入れたい。例えばおかか。

カロリー計算の方もしておりますし…

 

カロリー計算?

 

チーズだとかいろいろな事おっしゃってましたけどね

相手が勝手に選んできた時はバランスよく計算できませんよ?

 

私たちが提供して

 

これを食べなさいっていうのではなくて、これに関しては食べたい物を食べたいっていうのがコンセプトですから!

おにぎり屋

 

 

カロリー計算できないじゃない?

 
 

トッピングによって

 

カロリー変わってきますよね!

カロリー気にしてるんだったら、そういうことは事前に考えることだと思うんですよ!

 

でも今あなたは

 

そういうことも全部計算されたとおっしゃったから聞いてるんですよ。

 

こ…高カロリーのもの

 

だけではなく具は何十種類もあって、あの…お客さんが

 

高カロリーの物ばかり

 

選んだ場合はどうされるんですか?

 

それは

 

食べたい物は食べたいですから!

具に対してのカロリーも脇につけるつもりでおります。

例えば…

 

(* ̄- ̄)ふ~ん

 

大変な準備がかかるわね

 

いや!

 

仕事に対して大変とか大変じゃないとか、そんなことはないと思うんですよ!

そういう苦労のことは…

それは努力すればいいだけの話ですから!

 

あなたちょっと怖い

 

なんて言うか…

俺たちは投資しようとしてるんだからね。

こんなんだったら失敗したらこの3台の車ごと逃げるんじゃないかと思う。

 

そんなことはありません!

 
 

僕は…

 

自分の人生って他人が決めると思うのね。

自分の人生は自分で決めるっていうの絶対違うと思うのよ。

あなたの人生も僕らが決める。

だけど僕らが決めたってそれが成功じゃない。

本当に決めるのは一般のお客さんなんだよ。

で、これは投資なんだから、強気もいいけどもうちょっと可愛い気のある売り方しなきゃ。

僕だって時給400円、500円の頃からずっと働いているからお金の価値ってわかってるし。

それをお願いして出してもらおうってんならもうちょっと…

 

あの社長さん!

 

女だから可愛らしくしろ!

お前の人生は俺たちが買うんだ!

そう聞こえるのは私だけでしょうか?

 

違う。

 

他人が、みんなが決める。

わからない?

 

あのね…

 

仕事やっててね、いつも思うことに、いつまでたっても美しく好かれるってことも大切にしたいじゃない?

例えばおにぎりを、パンパンって張り倒されて食べる味は美味しいのかね?

やっぱり気分で食べるのも。

もの凄くあるんですよ、食べ物には。

 

そうですよね…

 

お売りする時に

あの…笑顔であったりとか…

「今日は暑いですね」「寒いですね」とか

そういいう一言からだと思います。

 

すごく良くなった!

 

さっきまでは何か言われるとあなた否定から入ってたの

言われる度に「いやっ」って

自分の意見を押し付けようとしてたの

あなたの今日の目的は、どんなことがあっても、騙してでもいいから金を持っていくということだと思うんです。

であれば、その方法論として押すだけでなく…

あのね、この人たちは全員自信があるんですよ

ならば引いて可愛く見せることも技だと思うの

これから自分で商売始めようとするなら尚更ね

 

そうですね

 

ただ…

おにぎりに関しては6年間ずっとやりたくて

でも資金が足りなくて

どうしても足りなくて

そもそもお弁当屋をオープンしたのは…

また家の事情もいろいろありまして

借金をして始めたんです

あの…

多額な借金だったんです

自分のやりたいことを伝えて、ただ認めてもらいたい…

借金を返していけたという6年間の自分の自信なんです

 

いくら返したの?

 

多額な借金って?

 

言わないとダメですか?

 
 

うん、聞きたいね。

 

6年間でいくら返したの?

 

1億ちょっとです。

 
おにぎり屋
 

6年間で1億返したの!?

 
 

親も一緒にですけれども。

 

そもそもが親の借金だったんで。

1億返したという中には、家も無くなりました。

何もかも無くなりました。

 

自分で働いて返したのはいくらなの?

 
 

自分で働いて返した分ですか?

 
 

うん。

 
 

そのうちの2500万円近くです。

 
 

6年間で?!

 
 

はい。

 
 

うーん…

 
 

 

借金もちょうど無くなったところですし、これからこの商売で一生懸命頑張っていきたいと思っています。

あの、お弁当屋さんの方はやめます!

これにかけたいと思ってます。

お弁当屋で借金返して頑張ろう、一生懸命やろうと思っているうちに6年が経ちました。

だからこれからが私の本当にやっていきたい事業なんです。

今しかないんです!

 

1億という借金返済額に女の底力を見た思いがしたのだろうか、虎たちの表情が一変した。

だが、自分の野望の突き進むために今の店を潰すとまでいう女に、虎たちから異議が噴出する。

 

 

別にその商売をやめる必要はないんじゃないの?

 
 

そうだよ
借金返せたんだし。

 
 

借金返せただけのお店でしょ?

 
 

続ければ?
そのお店。

 
 

続ければいいじゃないですか。

 
 

もう借金返し終わったんだから。

 
 

いいえ!

 

お弁当屋さんじゃなくて、このおにぎりをやりたいんです!

やっていきたいんです!

これはずっと考えていたことなんです!

 

お弁当屋さんでは試さなかったんですか?

 
 

はい!?

 
 

ひとつの商品として

 

お弁当屋さんで実験できますよね?

そのおにぎりを。

 

いや、もう…

 

あの、家族3人でやってますもんで、それでお弁当出すのでもう手一杯だったんです。

 

今の商売は本当にうまくいってるの?

 
 

はい。

 
 

親子3人で食べられてるのね?

 
 

でも!

 

この現状より上にはもういかないんですよ!

いくら頑張っても。

 

いかなくてもいい

 

別に上にいかなくてもいいんです。

親子3人でやってきて、親子3人分の給料が出てるわけですよね。

それで借金の返済もできたわけでしょ?

 

はい。

 
 

それだけのね

 

2千何百万という借金を返すっていうのはね、大変な事業だよ。

ものすごい立派な事業だよ。

それをなぜやめるのか、それがわからないんだよ。

 

絶対わからない、私にも。

 
 

あの…

 

小さいものだけ考えるのではなく、いずれはフランチャイズ化をしたいと考えていますので…

これはお話を聞いていただきたいのですけれども…

日本だけでなく、世界の方に広めていきたいというふうに考えております。

まずは日本でその資金を作りたいと思っているのは事実です。

 

あのー

 

簡単にフランチャイズとは語らないでください。

フランチャイズというのは、自分でしかできないノウハウを、フランチャイザーという立場でジーに配っていくんです。

絶対儲かるんだというその信用が、ザーとジーの信頼関係であって、あなたにはその今の自分の自信というものの明確な答えがないんですね。

だから今世界を語るのは、言い方を変えればただの夢なんですよ。

 

・・・。

 
 

ひとつ聞きたいのがね

 

今お客さんはいらっしゃるんですよね?

お弁当屋さんに。

 

はい。

 
 

買ってるお客さんは

 

困るわけですよね。

あたなの都合でやめちゃっていいのかなぁ?

 

それは…

 

私の都合だけじゃなく、あのー家族のこともありますし、これからってことなんですよ。

私の都合だけで、お客様には大変申し訳ないという気持ちはありますけれども。

おにぎり屋

でも、あの…

「こんな話があるんだ」って言って、現場の人なり、お客さんたちに話したら

「おねーちゃん頑張んなよ」って

「頑張れ」って

「世界のおにぎり出せたらいいね」って

みんな応援してくれてます!

常連のお客さんは特にそうです。

ありがたいなと思いました。

 

犠牲を強いても自分の夢をバックアップしてくれる人たちがいる。

だからこそ今やるしかない!

そんな女の決意も、虎たちの持つ「現実」を揺さぶることはできない。

やはり「夢」は「夢」でしかないのか。

 

 

事業というのはね

 

どんな大きな会社でも、利益の出ないところはやめていくのよ。

利益が出るところは絶対に残すのよ。

せっかくあなたが今までお弁当屋さんやってて、借金返せるぐらい儲かって生活もできた。

借金が返せたわけですよね。

利益が出てるわけじゃないですか。

それを何故やめるのかっていいうのが、私はもう理解できないんだよね。

 

今やっている

 

お弁当屋さんをおにぎり屋さんにしたらいいんじゃないの?

今のお弁当屋さんをしながら、その裏でおにぎり作ればいいんじゃないですか?

 

今現在利益が出てるのに

 

そのお店を潰すっていうのは、僕、商売人としてやっちゃいけないことだと思ってるんですよ。

たぶん来るお客さん全員が全員応援してるわけじゃないと思います。

そこにお弁当屋さんがあって便利だって思ってる方がいっぱいいらっしゃるから、そのお店が成り立っているんだと思うんですよ。

そのお店を自分の利益のために潰してしまうというのは、今まで来てくれた方に砂をかけるような行為になっちわないかな?

 

うん…

 

それもよく考えたんですね。

その大事にしてくれたお客さんたちとかのことも考えたんですけども…

 

はい。

 
 

まあ…

 

他人はどうでもいいということじゃなくて、その今まで来てくれたお客さんたちの為にも、これから頑張っていきたいんです。

頑張ってこういうふうに成功したんだよって見せたい!

「なに夢物語しゃべってんだよ」と言われるかもしれませんが、けれどもそういった部分じゃなく、考えてはおります!

 

あの…

 

自分の都合じゃなくて、いくら嫌でもやっちゃいけないことがあると思うんです、僕。

 

はい。

 
 

でもどうしても

 

自分のやりたいあなたの理想もある。

ならば例えばそのお店がですね、ごはんという部分で繋がっていると思うんで、お弁当屋続けながら、そこで車1台作りまして、その1台でおにぎりってものに挑戦してみる気はないですか?

それは具体的には無理ですかね?

 

いや…

 

無理じゃないと思います、十分。

でも、今しかないんですね、その移動販売でおにぎりをしたいっていうのは!

 

それね

 

それさっきから俺ずーっと引っかかってるんですよ。

あなたはそのおにぎりが今タイムリーな商品だと思ってらっしゃるんですよ。

僕たちここにいる社長は誰もそう思ってないんですよ。

でもあなたは

「いや、これは今なの!」っていう。

 

あとから

 

マネされたりするのは嫌なんですよね。

あとから誰かがマネするんじゃないかって…。

 

いや!

 

もう今までずっと自分がそういうこと考えていて、こういうことだとか、今までやりたかったことで、先ほどからずっと…。

 

あのー。

 

 

突然だった。

立会人という立場から話し合いを見続けてきた栄作が、女の言葉を断ち切り、話しはじめた。

 

 

少しだけ

 

彼女のその今しかないっていう気持ち、わかるんですよね。

その、やっぱりその、夢に対して今が自分の門出の瞬間なんだって。

逆に言えば、彼女しかわかっていないような部分もあると思うんですよね。

おにぎり屋

先ほどから堀之内さんがおっしゃってるビジネスであればイロハに値する、本来儲かっている部分っていうのは残すべきだとか…

吉川さん、川原さんや他の方もおっしゃっている飲食店の経営者としてのイロハの部分とか…

確かに彼女に足りないところはたくさんあると思うんです。

けどやっぱり、なんて言うんですか…

その今しかない部分。

僕が役者になるって決めた時、何の根拠があったかわかんないけど、今しかなかったような気がするんですよね。

その時しか。

その、彼女がいってることっていうのは、彼女にはもしからしたら失礼かもしれないけど、もう少し単純なことだと思うんですよね。

こう、やっぱり…

これやでやりたんだ!昔から見てた夢なんだ!

そして借金も返せた、もう今しかないっていうような。

彼女の意欲みたいなものは決していい部分ではないのかもしれない…

全てにおいてだけども。

それも含めてそれは彼女の今のところのまだ青さだと思う。

でも、なんとなく僕は、彼女の今しかない、夢のある世界、確かに世界まで広げるということは今はまだ早いのかもしれないけども…

なんとなく、それを僕は感じることができるんですよね。

 

吉田さんね

 

あえて言葉を返すようですけどもね。

私もですね…

本当に何も知恵がない時もありました。

そこから人に助けてもいただきました。

一生懸命頑張ってきました。

そして何かしらそこに利益が出るようなものを作ってきました。

でもそれを全部捨ててまでね、次のことをやるっていうのは、それでは事業は成立しないんです。

新しい商品が当たって前からやってる商売よりも大きな収入ができるようになったと、そしたら前の商売をやめようというのは、それはわかります。

しかし、ここで収入があるものをゼロにしちゃって、また1からやるんだと…。

今の彼女がね、ごはんも食べれないんだ、1円もないんだと。

だから今やるしかないんだから投資してくれというなら、それはまたわかります。

でも現状は事業のセオリーにかなっていない。

 

そこを変える気は一切ないんですか?

 
 

いや

 

そんなことないです。

確かに自分で今しかできない、やりたいやりたいっていうので、ここに応募してきたことは確かです。

あの、でもそういうふうに言われれば…。

いや、これをやりながら次もやりなさいって、あなたはその方が成功できる、そうした方がいいよっていうアドバイスがいただけて。

ああ、なるほどなって…。

そういったところも考え直さなければいけない点なのかなって。

なので、全部わかったかって言われたら…

あのー、全部は…

うん、なんとかやっていけるだろう、頑張れるだろう、じゃあこれをやりながらこれをやろうって…

じゃあもっと一生懸命働こうって!

3日寝ないでも頑張れるように、4日寝ないでも頑張れるように!

倒れてから初めて寝られるような勢いで、やっていけると思います!

 

栄作の言葉と女の決意を、どこか楽しむような顔で聞いていた1人の虎が突如口を開いた。

 

 

僕出します、860万。

 
おにぎり屋

ただし条件としてね、店を続けて欲しい。

その店やってほしいんですよ。

今お弁当を買ってるお客さんたちをあなたが裏切ると、今度はどっかでお客さんに裏切られると思うんで、俺は赤字になんない限りは店を続けて欲しい。

それが唯一の条件。

今聞いてると、認めてあげると素直に聞くんですよ。

違うって言われると違うって言うんですよ。

お金出すことによって認めてあげた瞬間に、この人の心が少し溶けるかなーっていうの今感じたんで。

出して認めてあげるから。

あのー、俺未だに金持ちだって感覚ないし、負け犬だって部分があるもんで

ここにいる先輩方はライバル関係なんです、僕にとって。

だからやっつけてやりてーなーって、お前と組んで。

おにぎり屋

確かにあなたには欠けてる部分っていっぱいあるんだけども、気合いで何とかカバーできないかなっていう人生、僕歩みたいと思ってるんで。

あとね、この4人に「すみませんでした」って言わせることができるのか

「どうだ!」って自分が言えるのかやってみたいかなと。

やっぱり気合いがあれば何とかなると思うんで。

 

 

やっぱり

 

新しいことに挑戦するってことは大事。

やってみないとね。

もちろんわかりませんよ。

まあ、是非ぎゃふんと本当に言わしていただければ。

 

やってみたいですね。

 
 

僕らも勉強になりますし。

 
 

高橋さん、じゃあ全額ということで。

 
 

はい。

 

僕は全部自分でいじりたいんで、自分で出したいんです。

860万円ですよね。

 

希望額に達しましたので
マネー成立です。

 
 

全然出す気無かったんですけど

 

なんか皆さんの正論聞いてたら逆らいたくなっちゃって。

まあ、気合いだけで信じてみようかなって。

たぶん気合いはダメなんですよ。

知ってます。

でも気合いと素直さがあれば、僕成立すると思うんで。

たぶん最初から成功しないと思うから、失敗するためにやってみて、なにか改良していくっていう。

そん時はちょっと皆さんが認めてくれる店になると思うんですよ。

もしも成功するならば。

 

そういうふうになれるように頑張ります。

 

本当にありがとうございました。

ありがとうございました!

 

一言いっとくけどね
裏切っちゃイカンよ。

 
 

はい、大丈夫です。

 
 

まあ

 

ビジネスには「天の時」というものがあります。

あなたはこの事業が「今」言うてるけど、それが仮に3週間でも3ヶ月のびてもいいから、天の声が聞こえる時が…

それは人気だと思うんですね。

ひとり仲間ができたわけだから、あとは自分の右腕、仲間を作った時が、そのビジネスのスタートなのかなと思います。

 

お金を出していただいたからといって

 

彼に喜ばれるようなことをするんじゃなく、やっぱりお客さんの喜びが彼の喜びですから。

まずやっぱりお客さんが喜ぶことを第一に考えて作り、ダメだったら工夫して素直に変えていって。

うん、何とか形態を見つけて、ますます繁盛して発展していってほしいと思います。

 

言わなくてもわかると思いますけど

 

このお金は高橋さんが必死になって稼いだお金なので、堀之内さんの言うように高橋さんを裏切らないように。

期待を裏切らないように。

 

本当に

 

こんな小さな私にね、そうやって出してくださったというのは、本当にありがたいと思います。

 

これでやっとスタート地点に立てると思うので是非頑張って。

 
 

ありがとうございます。

 
 

マネー成立です。

 
おにぎり屋

 

拍手の中、涙ながらに現金860万円を手にした女。

しかし、この先に失敗が待っているかもしれない。

女にとって現金を掴んだことが果たして良かったのかさえわからない。

ただ、女に現金860万円を掴み取るだけの野望があったことだけは事実。

マネーの虎の魂を揺さぶる何かがあったのは事実。

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